貧困ジャーナリズム大賞 2010

貧困ジャーナリズム大賞

沖縄タイムス 与那嶺一枝記者
「生きるの譜」
社会の底辺にいるホームレスひとり一人の人間模様を描いた長期連載「生きるの譜」。空腹の末におにぎりを万引きした60代の野宿男性、本州の工場で20年働いた末に雇い止めにあった50代の季節工の男性などの人生の軌跡に迫りながら、働き方や家族の事情など貧困の背景となるテーマをあぶり出した筆致は見事という他はない。


<受賞の声>
貧困ジャーナリズム大賞は「権威」と正反対の位置にあり、貧困問題をめぐる報道の持続性を求めているところが最大の魅力です。受賞で、野宿生活から「自立」を目指す当事者が励まされ、二重の喜びとなりました。沖縄の貧困問題は米軍基地問題に隠れ見過ごされてきましたが、受賞後は講演などでも理解を広められました。“ささやかな賞”は、今の日本社会の中で非常に意義深いと思います。ぜひ、ふるってご応募ください。

日本放送協会 川村雄次ディレクター
ETV特集
「いま憲法25条“生存権”を考える ~対論 内橋克人 湯浅誠」(2009年5月3日)
「作家 重松清が考える 働く人の貧困と孤立のゆくえ」(2009年11月8日)
2つの番組は、生存権、働いても抜けられない貧困、周囲との断絶など映像にしにくいテーマを、知識人の「語り」で伝えるという斬新な手法で制作された。「言葉」の力を信じ、貧困を理解することはすなわち知性と想像力のなせる営みだと確信させた画期的な番組だった。

貧困ジャーナリズム賞

秋田魁新報 吉田新一ほか多重債務問題取材班
多重債務問題の多角的な報道
多重債務問題に取り組む「秋田なまはげの会」に社会部や政治経済部、文化部の記者たちが密着取材を敢行。多重債務に陥るプロセスや立ち直っていく人々の姿を詳細にルポした。多重債務者に対する偏見が根強い地域社会において、「多重債務は社会の問題」と繰り返し啓発した意義を評価する。

朝日新聞 大阪本社 室矢英樹記者
「追い出し屋」の追及報道
関西を中心に全国的な問題に広がった「追い出し屋」。不動産会社や家賃保証会社が家賃を少しでも滞納した賃借人を力づくで追い出す実態を報道。他方で弁護士団や国土交通省などの動きも幅広く取材し、国による初めての規制に道を開いた報道活動は一記者の執念すさまじく特筆すべきものだった。

熊本放送(RKK) 岡村清香アナウンサー
「一人じゃないよ  ホームレスからの脱却助けます」(2009年6月26日放送)
熊本でのホームレス支援活動を通して、地方都市で増えている野宿者の姿を描いた。生活保護という最後のセーフティーネットを「住所がないから」と申請さえも拒む行政の姿。生活保護を受給した後は今度は本人が金銭管理ができず家賃滞納で行方不明になるという支援の難しさ。そうした切ない場面が多かった。顔出しで登場する野宿者の「塚田さん」の表情の変化が何よりも説得力があった。

宮城テレビ放送(MMT) 渡邊司記者
「たったひとつの私たち」(2009年12月23日放送)
宮城県でホームレス支援をする「ワンファミリー仙台」の活動を放映した。かつてのホームレスが支援する側に回り、「かけがえのない家族」という意識で向き合う様子が心地よく伝わる番組だった。放映後に県のホームレス支援予算が本格的に計上されるなど反響が大きかったのは、番組の温かさのせいだろうか。

日本放送協会(NHK) 大野太輔ディレクター
「追跡A to Z? 無届け老人ホームの闇」(2009年4月25日放送)
無届け老人ホーム「たまゆら」の火災死亡事件から間髪入れないタイミングで、同じ様な無届け施設の映像取材に成功したことには驚嘆の一言。簡単には解決しえない問題の深い闇を伝えたスクープ映像だった。以前から無料低額宿泊所などを取材してきたディレクターの執念の賜物といえる。

朝日新聞 大阪本社 中塚久美子記者
子どもの貧困をめぐる一連の報道
子どもの貧困がもたらす様々な問題にいち早く注目、企画記事を連発し世に問うてきた姿勢はすばらしい。さらに独自の調査によって定時制高校の志願者増加や私立高校の生徒への補助金が余っている実態をスクープ。一面を飾る注目記事で世論をリードした記者魂に拍手。

毎日新聞 東京本社 木戸哲記者、工藤哲記者、森禎行記者
厚銀舎、FISなど無料低額宿泊所や無届け施設に関する一連の報道
元ホームレスなどから生活保護費を搾取する福祉事業団体FISの経営について精力的に追及した。無料低額宿泊所全般の問題に広げ、社会問題化した功績は大きい。

福岡放送(FBS) 尼崎拓朗記者
「もう、ひとりにはしない ~ホームレス支援・北九州の現場から」(2009年6月7日放送)
北九州市で野宿者支援を続ける奥田知志氏ら「北九州ホームレス支援機構」の活動を密着取材。元ホームレスの青年がいったんは姿を消した後で戻ってくるシーンは感動的。支援も相手を信じ、人としての信頼あればこそ、と心打たれた。

(以上、10の個人または団体、、敬称略)

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