新宿七夕訴訟　控訴審判決迫る！

新宿七夕訴訟　控訴審判決の取材・傍聴にご協力お願いします。

☆判決言渡し☆
日　時：平成２４年７月１８日（水）１６時～
場　所：東京高裁１０１号法廷（大法廷）
１００人は入る大法廷ですので、多くのみなさんの傍聴をお待ちしております。


☆報告集会☆
新宿七夕訴訟～控訴審判決！！～
日　時：平成２４年７月１８日（水）　１６時３０分頃～
場　所：弁護士会館５階
内　容：判決報告
今後の方針
質疑応答平成２４年７月１８日１６：００～
東京地方裁判所１０１号法廷
※平成２０年７月７日に提訴されてから丸４年になりました。

【問い合わせ】
新宿七夕訴訟弁護団　事務局長　戸舘　圭之
（代々木総合法律事務所　戸舘　宛　電話　０３－３３７９－５２１１）
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１　新宿七夕訴訟とは～「ホームレス」だと生活保護が受けられないの？
本件は、２００８年６月、東京都新宿区内でホームレス状態にあった一審原告（当時５７歳）が、アパート等での居宅保護による生活保護をもとめた生活保護申請に対し、新宿区福祉事務所長が「稼働能力不活用」（生活保護法４条１項）を理由に同保護申請を却下したことから、新宿区を被告として、生活保護却下処分の取り消し、生活保護開始決定の義務付け、生活保護費の支給を求めて提訴した行政訴訟です（提訴日が、２００８年７月７日であったことから「新宿七夕訴訟」と呼ばれています。）。

２　これまでの審理の経過～１審は全面勝訴判決！！しかし、被告新宿区は控訴
２０１１年１１月８日、東京地裁民事第２部（川神裕裁判長）は、処分行政庁の行った生活保護却下処分が違法であることを認め、生活保護の開始申請を却下する旨の決定の取消し、申請時からの居宅保護の方法による生活保護開始決定の義務付けを処分行政庁である新宿区福祉事務所長に対して命じる原告勝訴判決を言渡しました。
原告、原告弁護団は、被告新宿区に対して、東京地裁判決を受け入れ控訴をしないように求めていましたが、被告新宿区は、判決を不服として控訴をしました（係属部：東京高裁民事２０部春日通良裁判長）。

３　本訴訟の意義と重要性～最後のセーフティーネットのあり方が問われています～
本件訴訟は、ホームレス状態にある人々に対する生活保護制度の適用の問題、稼働能力活用要件の恣意的適用によって貧困状態にある人々を生活保護制度から不当に排除している生活保護行政の問題を社会に問う重要な意義を有する訴訟です。
昨今の生活保護を巡る厳しい情勢の中、本件訴訟の帰趨は、今後の生活保護行政の在り方へも少なからず影響を与えるものと思われます。

４　論点の解説
（１）「稼働能力を活用している」という判断基準
生活保護法４条１項「保護は，生活に困窮する者が，その利用し得る資産，能力，その他あらゆるものを，その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」とします。
新宿区は，原告がこの自立支援センターの利用を拒否したことをもって，「稼働能力を十分活用しているとは判断できない」とし，生活保護の申請を却下しました。
しかし，このような施設から就労を試みる場合，他の入所者と生活時間などが合わず疲労をためやすく，結局は長続きできず，路上に戻る例が多いという問題点も指摘されてきたところでした。
原告は，そのような問題点を理解した上で，「住居をしっかりした上で就職活動をしたい。」と希望を述べたのです。稼働能力の活用は，アパートに住んで就職するという方法でもなされ得るはずです。
それでも，ホームレス状態にある以上はセンターに入所しなければならないのでしょうか？
（２）「ホームレスは自立（支援事業）に行ってもらっている」
新宿区の言い分によれば，ホームレス状態にある人は生活保護を受けられず，自立支援センターに入所して自力で生活を建て直すことになります。このセンターに入所中の方には生活保護は適用されません。
つまり，ホームレス状態にある人が生活保護を受ける方法はないということになります。
そして，上述のように，当時，このような施設から就労を試みる場合，他の入所者と生活時間などが合わず疲労をためやすく，結局は長続きできず，路上に戻る例が多いという問題点も指摘されてきたところでした。
これは，ホームレス状態にある人には憲法２５条の最低生活の保障が及ばないというに等しいもので，ホームレス状態にあることを理由とする差別以外の何物でもありません。
本件申請当時，他区では，ホームレス状態にある方に対し，必ずしもこのような施設に入所しなくとも，いったん生活保護を開始し，就労指導を行うことで稼働能力の活用を図るということが行われておりました。
現在では，新宿区でも，ホームレス状態にある方にも生活保護を適用しているようです。