反貧困世直し大集会2013 「もう一度リアルに向きあおう」
- 2013年10月21日
- 投稿者:反貧困ネットワーク
- カテゴリー:集会宣言
集会宣言
私たちが経験している生きづらさには、貧困という名前があると気がつき、その姿がみえるようにとりくみはじめて6年がたちました。
その間、私たちは、どんな社会を実現すれば、この生きづらさから抜け出せるのか、考えをだしあってきました。理想の社会に至るには、いくつもの道があるけれど、ひとつだけ一致しているのは、私たちが目指すべきものは、誰もが尊厳をもって生きることができる社会でなくてはならないということです。そして、私たち自身が、私たちの未来を決める主人公であることです。
仕事の仕方や家族のあり方など、私たちの生き方を国が決めて、社会保障や税や雇用は、国が決めた生き方にあてはまる人だけを優遇する。貧困から抜け出したいならば、どんな仕事でもえり好みするなといわんばかりの雇用対策。そんなふうに国が決めた生き方にあてはまらないがゆえに、私たちは、生きづらい思いをしています。私たちは、反貧困ネットワーク結成以来、社会保障や税や雇用のあり方を、社会の現状にあわせて変えることを訴え続けてきました。
でも、政府は、変わらなければならないのは、私たちのほうだ、といわんばかりです。私たちは、国が決めたとおりに生きて働き変わらなければならないのでしょうか。
企業がもっと儲かって、お金持ちがもっとお金持ちになれば、社会全体がうるおって、おこぼれが下のほうにも回ってくる。だから企業にはやさしく法人税は減税。企業を儲けさせるために、生身の人間を犠牲にする。生活保護を削減し、何時間残業してもカウントゼロ、解雇しやすいように労働の規制を緩和する。その上、所得が少ない人のほうが負担が大きくなる消費税は増税。また、東京電力福島第一原発事故から、2年7カ月が経ちましたが、故郷を追われた多くの人々が、今なお、困難な中での避難生活を強いられています。貧困問題は、より一層深刻化しています。
現実を直視せずに、オリンピックで景気と気分を高揚させれば何とかなるなど、今はもう通用しません。半世紀前の高度成長期の産業社会の論理では、私たちの生きづらさは解消されることはありません。国が決めた生き方にあわせて私たちが変わることはできないし、そんなことは解決策にはなりません。私たちは、今日の集会での議論をつうじて、貧困問題は社会全体の問題であり、私たち誰もが人間らしく生きることができるように、制度のほうを変えなくてはならないことを、再確認し、これからも声をあげ、行動することを宣言します。
反貧困世直し大集会2013参加者一同