- 2010年10月16日
- 投稿者:反貧困ネットワーク
- カテゴリー:集会宣言
2008年に新自由主義が大きくつまずいて「百年に一度」の危機が起こったとき、私たちは社会が大きく変わっていく予感を抱きました。2009年の政権交代によって、それはカタチとなって表れました。「コンクリートから人へ」というスローガンの下、「家庭への直接支援」や「子育ての社会化」が強調されました。
私たちは、そうした方向性をおおむね歓迎していました。国から企業、企業から正社員、正社員から家族へというお金の流れが細り、日本型社会モデル、日本型雇用モデル、標準世帯モデルはすでに機能しなくなっていたからです。景気の良し悪しにかかわらず、人々の雇用と暮らしの不安定化が進みました。標準世帯モデル中心の政策において切り捨てられてきた母子世帯や、日本型雇用において経済の調整弁として用いられ、不況時には仕事を失う日雇い労働者といった「元祖ワーキング・プア」の立場に近づく人たちが増え、日本社会における貧困問題が顕在化してきました。急激な少子高齢化による生産年齢人口減少が進む中、このままでは社会の持続可能性がないことは明らかだと思ってもいました。
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- 2009年10月17日
- 投稿者:反貧困ネットワーク
- カテゴリー:集会宣言
2009年10月5日、長妻厚生労働大臣は、政府として貧困率の測定をするよう指示を出しました。これまで、日本政府は一貫して「測定は困難」「意味がない」などとして、貧困率の測定を拒んできました。しかし、その壁は、ようやく、打ち砕かれました。
私たちは昨年10月19日、明治公園に集まり、次のように宣言しました。
「日本社会に広がる貧困を直視し、貧困の削減目標を立て、それに向けて政策を総動員する政治こそ、私たちは求める」と。
また「政治は、政策の貧困という自己責任こそ、自覚すべきだ。道路を作るだけでは、人々の暮らしは豊かにはならない」とも言いました。
そして、去る9月16日、マニフェストで次のように宣言した民主党が中心の新政権が誕生しました。「コンクリートではなく、人間を大事にする政治にしたい」「すべての人が、互いに役に立ち、居場所を見出すことのできる社会をつくりたい」「すべての人が生きがいと働きがいを持てる国を、あなたと民主党でつくり上げようではありませんか」と。
私たちは、ここに示された理念こそが、最大の政権公約だと考えます。この理念が失われれば、マニフェストに書かれた個々の政策が実現しようとも、そこに“魂”はない。もし、マニフェスト実現のためにその理念が犠牲にされるようなことがあったら、私たちはそれを最大の公約違反とみなし、「すべての人が、互いに役に立ち、居場所を見出すことのできる社会」を作るために、新たな選択を行うでしょう。何のためにマニフェストを実行するのか、その目的と理念こそが重要です。
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- 2009年08月06日
- 投稿者:反貧困ネットワーク
- カテゴリー:集会宣言
今こそ貧困問題の抜本的対策を掲げる時!
反貧困ネットワーク
代表 宇都宮 健児
2009 年は、「派遣切り」で職と住まいを失った労働者を支援する東京・日比谷公園の「年越し派遣村」で年が明けました。
年越し派遣村は、派遣切り被害の深刻さを浮き彫りにすると同時に、これまで日本社会にないと思われてきた「貧困」を可視化させ、日本社会に大きな衝撃を与えました。
米国発の金融危機に端を発する百年に一度といわれる経済不況下で、派遣切り・雇い止めの嵐が吹き荒れ、現在も職と住まいを失った労働者が大量に生み出されています。今回の不況で職を失う非正規労働者は、40 万人とも100 万人ともいわれています。年収200 万円以下のワーキングプア(働く貧困層)は、1000 万人を超え、自殺者は11 年連続で3 万人を超えるという異常事態が続いています。特に最近は「失業」「就職失敗」などを原因とする若年者自殺が増加しています。
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- 2009年07月31日
- 投稿者:反貧困ネットワーク
- カテゴリー:集会宣言
総選挙が一ヵ月後に迫っています。問われているのは「どの政党の誰がふさわしいか」だけではありません。私たちが、どのような政府、どのような「国の形」を求めるのかが問われています。
以前から進行していた生活の不安定化に昨年秋以降の大不況が拍車をかける形で、日本社会の貧困化が止まりません。生活相談・労働相談・自殺防止相談の各種窓口はどこもパンク状態で電話もつながらず、ホームレス状態にある人たち向けの炊き出しに並ぶ人々は昨年の2倍から3倍に急増しています。年末年始の派遣村以降も、「雇用壊滅」とも言われるさらなる雇用環境の悪化や雇用保険切れなどの影響で、事態はますます深刻化しています。
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- 2008年10月19日
- 投稿者:反貧困ネットワーク
- カテゴリー:集会宣言
私たちは、今日ここに「世直し」のために集まりました。
どんな世を直すのか。
それは、人が人らしく生きられない、人間がモノ扱いされる、命よりもお金や効率が優先される、貧困が広がる、そんな世を直すためです。
どうやって直すのか。
それは、一人一人が声を上げ、場所を作り、それによって仲間を増やし、守られる空間をつくり、一人じゃないことを確認し、そして相互に垣根を越えてつながっていくことで直します。
私たちの社会は今、間違った方向に進んでいます。私たちはそれを直したい。それが、私たちの責任です。「自己責任」などは、決して私たちが取るべき責任ではない。私たちには私たちの、市民には市民の、責任の取り方がある。
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