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生活困窮者自立支援法案の改善を求める意見


2013年11月17日

生活困窮者自立支援法案の改善を求める意見

反貧困ネットワーク
(代表 宇都宮健児)

「生活困窮者自立支援法案」(以下、「法案」という。)につき、当ネットワークは、生活困窮者の支援が自治体の責務として行われることを歓迎しつつ、「新たな生活困窮者支援制度」が真に生活困窮者の支援策となることを期待し,以下のとおり,意見を述べる。

1 「権利」性の明記について

法案は、国が憲法25条2項に基づいて「社会的立法及び社会的施設の創造拡充により個々の国民の具体的・現実的な生活権」を「設定充実」(堀木訴訟・最大判昭57年7月7日)し、それにより個々の国民の生活権を充実させるものと理解している。
よって、法案によって国民の生活権が充実されたことをより明確にすべく、法案1条「目的」に権利性が明記されることが望ましい。

2 生活保護申請に対する水際作戦防止のための措置

法案は、法案による支援よりも生活保護の受給が適切である要保護者についての規定がない。そのため、要保護者が自立支援を受けながら生活保護申請の選択肢に気づかないままになる懸念がある。したがって、生活困窮者自立相談支援事業を行う者は生活困窮者自立支援を受けようとする者が要保護者に該当する場合には生活保護制度に関する情報提供等を行い、生活困窮者自立支援を受けようとする者が生活保護申請を選択肢として検討できるよう促すことが望ましい。

3 民間団体の選定及び監督検証

こうした事業が民間に委託される場合、担い手が全国にはまだ確保されていないこともあり、いわゆる生活困窮者を食い物にした「貧困ビジネス」の入りこむおそれがある。そこで、事業を委託する民間団体の選定及び監督に関しては、各自治体が、適切に選任し、事業を監督し、評価検証・見直しを行うと同時に、国は事業の担い手の育成・研修を積極的に行うべきである。

 

以 上

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